2009-11-24
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コミュニケーションの実践

先週の「ビジュアルコミュニケーションB?」の授業の時のことです。

教室に入ろうとしたとき、中から女子学生の大きな声が聞こえてきました。

遊びのイベントについての話し合いかなと思ったのですが、それは違っていました。

この私が担当するこの授業をどうやって盛り上げていこうか、というテーマで真剣に話し合っていたのです。

テーブルの配置から授業の進め方、さらには授業の運営方法にまで話題は広がっていきます。

大学は中学校や高等学校と違って、自分の意志で研究をしていく場です。

教員から与えられることを待っているような受動的な姿勢では、

自身の研究を深めていくための思考の深度や広がりに期待ができません。

この日の授業は予定していた内容を変更して、学生たちとの意見交換の場となりました。

学生ひとりひとりは、さまざまな考えを持っています。個性の強い学生の集まりだから当然です。

同じような考えの学生もいれば、真反対の意見の学生もいます。ひとりだけが異論を唱えることもあります。

それらは、決してひとつに集約できるものではありません。しかし、それで良いのです。

他の学生たちのさまざまな意見を聞く、自分の意見を述べる、そこからディスカッションが始まる。

コミュニケーションというものは、双方向に行き交うものであって、

一方的に発信したり受信をすることではありません。

この日の授業は、ひとりの女子学生が立ち上がったおかげで、

いつもとは異なる角度から「コミュニケーション」の実践をすることができました。

グラフィックデザイン専攻の必修科目なので、ビジュアルコミュニケーションを「デザイン」で解決しようと、学生たちはいろいろとアイデアを出して、コンピュータを駆使しながら制作に熱中します。

本来は、さまざまなコミュニケーションの方法について研究することが大切なのに、

ついつい作品を制作することに意識が集中してしまいます。デザインの学生だから仕方がありません。

私自身もマンネリ化してしまっている授業について、「なんとかしなくては」と考えさせられました。

今回の授業は、既成概念の枠に納まらないで、学生主体によって活発な授業ができたと思います。

学生のみんながどう感じたのかは別にして、私にとってはとても意義深い時間でした。