2010年07月の記事
2010-07-16
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長い時間をかけてデザインしていた作品集があります。
以前にこのブログで編集会議の様子を掲載したガラス工芸作家の作品集です。
今回は、印刷会社から出てきた色校正(印刷の状態をチェックする行程)の様子をご紹介します。
デザインが完成したら印刷会社に入稿(デザインを渡すこと)をします。入稿後、10日から2週間ぐらいで色校正が出ます。この校正紙をデザイナーは細かくチェックをしていきます。この段階でていねいにチェックをしないと良い印刷ができません。写真一点一点をていねいに確認します。場合によってはガラス工芸作品の現物を見ながら、作家と印刷会社の担当者(プリンティングディレクター)、編集者のみんなで確認していきます。この作業はとても大変なのですが、とても重要な打合せです。
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これが古代オリエント時代の技法を使って制作された作品です。大きさは直径20センチくらいです。
透明感があるブルーのガラスと金箔がとてもキレイな作品です。
わざわざ岡山から和つぃの事務所にたくさんの作品を持ってきてくれました。一点一点がとても貴重な作品なので、取り扱いには気を遣います。
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細かい部分を印刷で再現するのはとても難しいのです。
この写真は光の3原色(RGB)の加色法なので発色がとてもキレイですが、紙への印刷はインクのシアン(藍色)、マゼンタ〈ピンク)、イエロー(黄色)、ブラックの4色による減色法で再現しますから、発色がどうしても悪くなってしまいます。色彩学を履修した学生のみなさんは勉強したと思います。
この作品にあるきれいな透明感のあるブルーは、印刷で再現することは非常に難しい色なんです。
金色もインクには金がないので、金色に見えるように擬似的な表現をしなければなりません。
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今は写真がの多くがデジタル写真なので、色校正をするのも大変です。
なぜならば写真の発色を見るサンプルが無いからです。デジタルデータなのでコンピュータのモニターで確認しますが、このモニターはひとつひとつの色再現に統一がないので、カメラマンとデザイナー、印刷会社それぞれの確認する写真の色が同じではありません。
今回の色校正では、私の事務所にあるコンピュータを使って写真を確認していきました。全体の色調や部分の状態などを細かくチェックします。部分の確認はコンピュータでド〜ンと拡大してチェックでいるので、それはとても便利でした。
右側に写っているのがガラス工芸作家の松島さんと奥さまです。左側の手前から2人目が印刷会社のプリンティングディレクターです。プリンティングディレクターの仕事は、私たちデザイナーが求める印刷のイメージを印刷の現場に性格に指示をしたり、印刷表現をするときの適切な判断をしてくれる大切な役割です。彼は難解な問題に対して、真剣に考えてくれています。プリンティングディレクターには、いつも感謝感謝です。
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3時間以上かかって、やっと色校正を終了しました。
緊張と集中の連続なので、大変疲れました。
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色校正が終わったとき、作家の松島さんから何やら小さな木の箱を渡されました。
何だろう? つづきは次のページで。
2010-07-13
未分類
7月16日〈金)、17日(土)、18日(日)の三日間、東京造形大学のオープンキャンパスがかい浅いされます。
学生のデザインユニットがシンボルマークから始まって、ダイレクトメールのハガキやパンフレット、ポスター、学内のサイン計画など、すべてのデザインを制作しています。
スクールバスもデコレーションしていて、カッコ良いです。
われわれグラフィックデザイン専攻のプログラムはは、学生の課題作品のを展示します。授業の中で、学生たちが制作したユニークな作品がたくさん並びます。
授業の様子やグラフィックデザインの学生へのインタビューなどは、助手の人たちが一生懸命に制作してくれました。デジタルビデオを担いで膨大な素材を撮影して、とても苦労しながら編集してくれた映像です。
学生と私たち教員のトークショウも開催します。当日の本番ぶっつけで行いますから、学生の本音がドンドン出てくるかも知れません。
どのプログラムも楽しく行います。
高校生の皆さん、ぜひ、立ち寄ってください。
教員はもちろんですが、学生たちがいろいろと説明を行いますから、東京造形大学グラフィックデザイン専攻の実態が明らかにしていきます。入学試験などについての質問にもドンドンお答えします。
そして、もうひとつ企画があります。
八王子夢美術館という美術館との協同プロジェクトで、「フラッグギャラリーコンペ」を行います。
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これはグラフィックデザインの学生がデザインしたフラッグで、八王子の商店街を活性化するというプロジェクトで、八王子夢美術館と東京造形大学グラフィックデザイン専攻による企画です。
グラフィックデザインの学生たちのほとんどが参加しています。集まった作品(フラッグのデザイン)は、合計で600点を超えています。学生たちの制作パワーにはビックリしています。
オープンキャンパスの会期中、8号館1階のCSホールで公開審査を行います。
これは、オープンキャンパスに来てくださった方々に審査(一次審査)をしていただいて、実際にフラッグを製作して商店街に展示します。そして、今度は市民の皆さんの投票(二次審査)でグランプリが決定します。
東京造形大学の学生も投票できますので、多くの人に審査をしてもらって活気のあるコンペにしたいと思っています。
ドンドン参加してください。
600点もの力作を、ぜひ見に来てください。
2010-07-02
助手
授業の話ではありませんが、学生たちが集まって行ったことなので少しご報告します。
グラフィックデザイン専攻の学生に向けて、グラフィックデザインの全教員による「ポートフォリオ・セミナー」を開催しました。毎年、3年生の夏休み前ごろから就職活動がスタートします。就職活動の第一段階は、自分のポートフォリオを持って会社への訪問です。その時に持参するポートフォリオのレベルが第一印象となりますから、とても重要です。
今までは学生たちが自主的にポートフォリオを作成して、それを教員の私たちがアドバイスをすることで完成させていました。とても美しいポートフォリオを作る学生、自分を良く表現できている学生、見応えがたっぷりの迫力満点なポートフォリオを作る学生、そして、どうして良いのかわからなくて困っている学生などなどさまざまです。
今年は、まずポートフォリオの大切さや作成するときのポイントなどを知ってもらうことを目的に、初めてセミナーの開催を試みました。どれだけの学生が集まるのか、ちょっと心配しながら当日を迎えたのです。
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当日は朝から夕方までグラフィックデザインの専門科目が続く一日で、とてもハードな授業を終えた3年生を中心に100人くらいが、大きな教室に集合しました。イスも足りなくなるほどの学生が集まってビックリしましたが、学生たちは真剣な眼差しです。
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最初に「就職することの意味」のような全体的な話から始まり、すでに就職の内定(採用通知)をもらっている学生へのインタビューへと続きます。実際に活動してきた経験談に、3年生たちは真剣に聞き入っています。話がとてもリアルだから、参考になっている様子です。2年生と1年生も数人参加していましたが、彼らには少しリアリティがないから難しい話だったかもしれません。
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その後は、参考ポートフォリオの閲覧です。作成した先輩の学生から丁寧な説明を受けて、みんなメモを取っています。やっぱり実物のポートフォリオを見るとその完成度の高さが一目瞭然です。百聞は一見にしかずとはこのことです。
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質問もいろいろ出たりして、とてもパワフルで有意義なな2時間30分でした。また第2回の開催を約束して終了しました。参加した学生の皆さん、お疲れさまでした。学生ひとりひとりが、これからのポートフォリオ作成のヒントをひとつでも手に入れてくれていたらうれしいです。
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